2025-01-01から1年間の記事一覧
――そりゃそうかも知れないが!……一枚のタブローの詩とは、見る者によって作られなければならないものなのだ。 ――一詩篇の哲学が読者によって作られなければならぬように、というわけだね。――その通り、まさにそうなんだ。――ボードレール「L・ド・セヌヴィル…
深淵 シャルル・ボードレール/平岡公彦訳 パスカルは、彼について動く深淵をもっていたという。 ――うう! みな淵獄だ。――行動も、欲望も、夢も、 言葉もだ! 見えるたび、まっすぐよだった身の毛を、 幾度も恐ろしさが風となって通り過ぎるのを感じよう。 …
ボードレールの「美」とは、『悪の華』という美術館に特設されたウェヌスのギャラリーである。そこに展示されたウェヌスのコレクションには、古代ローマ帝国の母神、売春婦の守護神、レズビアンの守護神という三つの顔があり、「美」にはそのそれぞれに由来…
美(1861年版) シャルル・ボードレール/平岡公彦訳 わたしは美しい、おお、死すべき者よ! 石の夢のように。 だれもが代わるがわる打ち傷を負っていったわたしの胸も、 詩人の魂に愛を吹きこむために作られたのよ。 永遠の声なき愛を、万有の質料と同じよ…