平岡公彦のボードレール翻訳ノート

ボードレール『悪の華[1857年版]』(文芸社刊)の訳者平岡公彦のブログ

プラトンの偉大さ――プラトンの倫理学1

哲学を学ぼうと考える人がプラトンの対話篇を手に取ることは、いくつかある哲学へのよい入口の一つではなく、考えうる最良の入口である。そして、みずから哲学することをはじめたければ、人はできるだけはやくプラトンの対話篇と出会い、ソクラテスをはじめ…

ハイデガー超入門――『暇と退屈の倫理学』をめぐる國分功一郎さんとの質疑応答2

哲学者の國分功一郎さんに再度した『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社)についての質問のお返事を待っているあいだに、ちょっとハイデガーの哲学を復習しておこうと思います。 暇と退屈の倫理学作者: 國分功一郎出版社/メーカー: 朝日出版社発売日: 2011/10/1…

ハイデガーと決断――『暇と退屈の倫理学』をめぐる國分功一郎さんとの質疑応答1

昨年哲学者の國分功一郎さんにした『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社)についての質問にご回答をいただきました。非常にご多忙にもかかわらず、時間をかけて真剣に答えてくださったことがわかる長文の論考に感動しております。ほんとうにありがとうございま…

消費をどう見るか――宇野常寛/國分功一郎「個人と世界をつなぐもの」を読む2

『すばる』2012年2月号に掲載された批評家の宇野常寛と哲学者の國分功一郎の対談「個人と世界をつなぐもの」における議論のなかでいちばん目を引くのは、やはり消費社会をめぐる両者の見解の対立である。 すばる 2012年 02月号 [雑誌]出版社/メーカー: 集英…

宇野常寛について――宇野常寛/國分功一郎「個人と世界をつなぐもの」を読む1

『すばる』2012年2月号に掲載された批評家の宇野常寛と哲学者の國分功一郎の対談「個人と世界をつなぐもの」を読んだ。 すばる 2012年 02月号 [雑誌]出版社/メーカー: 集英社発売日: 2012/01/06メディア: 雑誌購入: 2人 クリック: 19回この商品を含むブログ …

概念の創造の実践――國分功一郎『スピノザの方法』を読む

「それではこの神のことを、われわれは、その寝椅子の『本性(実在)製作者』、または何かこれに類した名で呼ぶことにしようか?」 ――プラトン『国家』*1 哲学者の國分功一郎の博士論文であり、初の著書でもある『スピノザの方法』(みすず書房)のテーマは…

概念の創造の方法――國分功一郎「ドゥルーズの哲学原理(1)」を読む

ジル・ドゥルーズの哲学は、なによりその難解さで悪名高い。とりわけフェリックス・ガタリとの共同執筆を開始してからのテクストは、もはやそこでなにが論じられているのかさえわからないと匙を投げる人は専門の哲学研究者のなかにさえ多く、あげくの果てに…

知の公共圏の構築――今こそ梅田望夫『ウェブ時代をゆく』を読み返す

書くことは抵抗すること。書くことは生成すること。書くことは地図を作ること。 ――ドゥルーズ『フーコー』*1 なんのためにブログを続けるのか。そう自問するとき、いつも読み返したくなる本がある。梅田望夫氏の『ウェブ時代をゆく――いかに働き、いかに学ぶ…