平岡公彦のボードレール翻訳ノート

ボードレール『悪の華[1857年版]』(文芸社刊)の訳者平岡公彦のブログ

2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

概念の創造の実践――國分功一郎『スピノザの方法』を読む

「それではこの神のことを、われわれは、その寝椅子の『本性(実在)製作者』、または何かこれに類した名で呼ぶことにしようか?」 ――プラトン『国家』*1 哲学者の國分功一郎の博士論文であり、初の著書でもある『スピノザの方法』(みすず書房)のテーマは…

概念の創造の方法――國分功一郎「ドゥルーズの哲学原理(1)」を読む

ジル・ドゥルーズの哲学は、なによりその難解さで悪名高い。とりわけフェリックス・ガタリとの共同執筆を開始してからのテクストは、もはやそこでなにが論じられているのかさえわからないと匙を投げる人は専門の哲学研究者のなかにさえ多く、あげくの果てに…

知の公共圏の構築――今こそ梅田望夫『ウェブ時代をゆく』を読み返す

書くことは抵抗すること。書くことは生成すること。書くことは地図を作ること。 ――ドゥルーズ『フーコー』*1 なんのためにブログを続けるのか。そう自問するとき、いつも読み返したくなる本がある。梅田望夫氏の『ウェブ時代をゆく――いかに働き、いかに学ぶ…